セルツーボディダイナミクスラボ(東京大学名誉教授 跡見順子研究室)"

About Atomi Lab

跡見順子教授


今こそ、科学・技術分野に多様性を
―男女共同参画の加速に向けての要望―


震災後の我が国は、新しい方向性をもつことが要求されています。理工系研究者・技術者41万人の集まりである男女共同参画学協会連絡会では、これまで多くの議論を重ねて参りました。私は第9期運営委員長としてとりまとめを行い、政府をはじめとする関係各方面に対し平成24年3月22日付けで要望書を提出いたしました。

<概 要>東日本大震災・福島第一原発事故は、我が国の多くの分野の様々なシステムが見直し・再構築を必要としていることを示しました。特に科学・技術分野においては、専門性を越えた多様な観点、いのちある人間を起点とする視座で、持続可能な未来に向けたイノベーションが求められていると考えられます。その推進と実現のためには、男女共同参画の加速が重要です。第4期科学技術基本計画および第3次男女共同参画基本計画を踏まえた男女科学研究者・技術者の環境整備を、国に対して強く要望致します。

平成23年3月11日に起きた東日本大震災およびそれに続く福島第一原発事故による未曾有の災害を受け、復興と再生に向けた我が国の対応を、世界の人々が地球的課題と捉え注視しています。この状況は、科学技術および科学者・技術者の在り方にも再考を迫っています。科学・技術分野においては、専門性を超えた多分野の連携と多様な視点を持ち、いのちある人間を起点とする(注1)ことにより、組織として創造力を発揮する事が重要です。さらに震災からの復興と再生の鍵は人材であり、女性科学者・技術者を登用して多様な視点や発想を取り入れる事も重要です。持続可能な未来に向けたイノベーションの創出こそが世界の期待に応えることです。

そのためには、男女共同参画理念の実現に向けて、その推進と加速とが不可欠です.またいのちを紡ぐ女性科学者・技術者登用の飛躍的な拡大も重要です。現在、第4期科学技術基本計画と第3次男女共同参画基本計画(平成22年12月17日閣議決定)に基づく、出産、育児と仕事を両立できる支援策などにより女性科学者・技術者の活躍の場は広がりつつあります。しかし、日本の女性研究者比率はいまだ13.8%(平成23年)に留まり、世界的に見て極めて低い状況にあります。この状況の改善には、国の「2020年30%」目標達成へのポジティブアクションにつながる諸施策の設定・実施と、研究費配分などの意思決定の場への女性科学者・技術者の参画が必須要件です。第4期科学技術基本計画と第3次男女共同参画基本計画で提示された数値目標の着実な推進とともに、リーダーとなる女性科学者・技術者育成の制度整備が喫緊の課題です。

男女共同参画学協会連絡会加盟(正式加盟35、オブザーバー6)学協会は、男女共同参画のさらなる推進と多様性の尊重を視座として、ここに下記の二項目を要望します。

1.科学・技術分野において、いのちある人間を起点とする視座で、持続可能な未来に向けたイノベーションの創出を推進すること。

2.第4期科学技術基本計画および第3次男女共同参画基本計画の方針を踏まえ、優れた人材の発掘・育成・登用を加速するための環境整備を推進すること。

以上

平成24(2012)年3月29日
男女共同参画学協会連絡会第9期運営委員長
東京大学名誉教授 跡見順子

<補足説明> 項目1について
いのちの尊さと人と人との絆の大切さを国民ひとりひとりに呼び覚ました東日本大震災は、我が国の国としての在り方、科学技術および科学者・技術者の在り方にも再考を迫っています。「今、社会が科学者に求めること−ソーシャル・ウィッシュ(いのちと健康)」をテーマとした男女共同参画学協会連絡会第9回シンポジウム(平成23年10月31日開催)(注2)では、持続可能な安全科学技術の推進には、女性科学者・技術者たちの参画が重要であることが再確認されました。
・ いのちの尊さと人と人との絆の大切さを次世代に伝えていくため、いのちある人間を起点とし、個人と社会の両階層において持続可能な安全科学技術のイノベーション(注3)を、国の施策に反映させること。

項目2について
・ 第4期科学技術基本計画で掲げられた数値目標(第3期基本計画の数値目標を早期達成し、更に30%まで高めること。理学系20%、工学系15%、農学系30%の早期達成と医学・歯学・薬学系合わせて30%の達成)の着実な推進。
・ 女性研究者の研究室主宰者(教授、准教授、主任研究員、PI(Principal Investigator)等)への登用促進を目的とする、リーダー育成「女性研究者養成システム改革加速」プログラムの再開とさらなる充実。
・ 次世代女性研究者育成プログラムを推進するため、ロールモデルの提示と交流に効果的な「女子中高生の理系進路選択支援」事業の推進と拡大。
・ 少子高齢社会において研究者が安心して仕事と出産・育児・介護等を両立し得るようにするための支援策、RPD特別研究員制度の継続と柔軟な雇用形態・人事制度の確立、研究サポート体制などの整備・確立。
・ 各研究機関・大学等における人事の公募に際し、研究者が出産・育児・介護等のライフイベントに遭遇した場合、育児休業制度や介護休業制度が利用できるかどうかの明示を義務づけること。

注1:現在、生命科学や脳科学が急進展しているが、その科学知識が、リアルな身体(ホメオスタシス維持の幅を超えた環境条件では、生命(細胞)は持続できない。ホメオスタシスは、化学的条件だけではなく、力学的にも細胞が生存しうる境界がある)につながっていない。その破綻は、膝関節症や骨粗鬆症を招く。骨粗鬆症は、高齢者(とくに閉経後の女性)では大きな問題になる。
注2:吉川弘之氏(独行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター長、元東京大学総長、独立行政法人産業技術総合研究所前理事長)は、震災後の状況を踏まえいのちある人間のサステイナビリティを担う女性だからこそ生み出せる科学研究があるということを、世界的女性科学者3氏を例にあげたメッセージを寄せられました。レイチェル・カーソン(社会が環境問題に目を向けるきっかけをつくった「沈黙の春」の著者・生物学者)、グロ・ハーレム・ブルントラント(国連の委員会で持続可能な開発の理念を打ち出した小児科医、のちにWHO事務局長、ノルウェー首相を歴任)、ジェーン・ルブチェンコ(海洋生態学に生物多様性の視点を導入し、科学者の社会的責任の重要性を明瞭に示した動物・生態学者、現米海洋大気局局長)。
注3:例えば、いのちを紡ぐ女性や幼児に重心を据えた放射線影響・防御の科学等を含めて、性差(幼少期から高齢にいたるまで個人差を超えた生物学的な差異-ホルモンや骨格の造りなどで-による身心への影響がある)、日常、未病、知の身体性等に着目した新たな学術領域およびそれを支える理工学技術開発等を科学・技術分野の基本に新たに組み入れる。男女共同参画によるエネルギー選択肢の議論も重要である。

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セルツーボディダイナミクス研究のすすめ
ようこそ、"細胞から元気になるからだ"の世界へ


"「からだ」を生かしてくれている細胞の身になったことはありますか?からだは、60兆の細胞から成ります。60兆の細胞も皆生きています。それらの細胞たちに上手に働きかけて私たちが身心ともに健康になる方法を研究しています。からだと細胞の関係から、「いのち」や「人間」を考え、そして毎日の生活に活かしていく方法や原則を、企業や科研費のサポートを受けて、様々な分野の研究者の方といっしょに創り上げる努力をしています。

私たちのからだは、顔があり、手足があり、そしてそれらをつなぐ体幹があります。からだと同じように、細胞たちにも「からだ」があります。他人やモノを見分ける眼や音を感じる耳、味を感じる舌があるように、細胞たちもからだの中にはいってくる様々な刺激をうけとっています。体には、脳、筋肉、骨、皮膚があるように、細胞にも知恵袋:DNA、動きを生み出し形をつくるタンパク質、外部との境界をつくる細胞膜があります。本研究室では、細胞の身になって考えることにより、細胞達一個一個が元気に生きることを考えながら、「細胞がすみかとしているからだ」を考え、その司令塔としての「わたし」を考えます。

どう動き、日々何をすべきか、細胞達が喜ぶ生活の仕方、運動のしかた、サプリメントとの付き合い方、そして自分のこころとの付き合い方などを理解することで、細胞とからだがよろこぶ教育プログラムの開発、商品開発をしています。細胞、遺伝子、筋肉、脳、皮膚、ファシア、和の生活様式、心身の関係、運動、姿勢、美容などのキーワードから広くかつ深く研究し、新しい人間像を見出すのが私たちセルツーボディダイナミクラボの役割だと考えます。

ともに歩んで下さる仲間をいつも探しています。お気軽にご連絡ください。

東京大学名誉教授
東京大学アイソトープ総合センター特任研究員
跡見順子
Yoriko Atomi atomi@bio.c.u-tokyo.ac.jp

What's New

◇ 2012.04.02 連絡会要望書を解説付きでアップしました。

◇ 2012.03.28, 04.02 帝京科学大学理学療法学科にて「理学療法士のための生命科学」の特別実習と講義を行います。

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シンポジウム開催のご案内 ※好評のうちに終了いたしました
第9回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム

【日 時】 2011年10月31日(月)
午前の部   9:30‐12:30 (9:00会場)
午後の部T〜V部 13:00‐17:00
ポスター掲示  9:00‐15:40 (9:00 から掲示可・16:00までに撤収)
懇親会 18:00‐20:00
【場 所】 筑波大学・大学会館 (茨城県つくば市天王台 1ー1ー1)
懇親会 ホテルグランド東雲 (茨城県つくば市小野崎 488ー1)
【テ ー マ】 今、社会が科学者に求めること−ソーシャル・ウィッシュ
【主 催】 男女共同参画学協会連絡会
【共 催】 国立大学法人筑波大学
【後 援】 文部科学省, 独立行政法人科学技術振興機構, 内閣府男女共同参画局, 茨城県つくば市
【趣 旨】男女共同参画学協会連絡会は、科学・技術の分野において、女性と男性が共に個性と能力を発揮できる環境づくりとネットワーク作りを行い、社会に貢献することを目的として、2002年10月7日に発足した。本シンポジウムは、この9周年の記念行事である。本連絡会に加盟している68学協会が集まり、また、各方面からの来賓を招き、講演会、パネル討論などを行うことにより、今後の科学技術の発展および持続可能な社会の実現に向けて必要とされる女性研究者の活用及びそのための支援策などについて,有効な方向性を探る。特に本年は未曾有の震災を経験したことから、現在の科学者らに社会から求められていることについて、基底テーマを「命と健康」とした。実動に向けた社会づくりに貢献するための討論を企画した。

◆ プ ロ グ ラ ム ◆

9:00- 受付 筑波大学・大学会館・多目的ホール入口前

9:30‐12:00 午前の部
分科会A 【国際会議室】
テーマ:震災で浮き彫りとなった科学のこれまでと今後
世話役 富田-横谷香織(日本宇宙生物科学会・筑波大)

講演者 大西武雄(日本宇宙生物科学会会長・奈良県立医科大学)
山下雅道(日本宇宙生物科学会・JAXA)
奥平恭子(日本惑星科学会・会津大)
加藤 浩 (生態工学会・三重大)
跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大)(第9期委員長)

分科会B 【特別会議室】
テーマ: これからの若手、女性リーダー育成に向けた取り組み
世話人: 高井まどか(応用物理学会・東京大学)

昼食 (12:00‐13:00)
ポスター閲覧随時【多目的ホール】

13:00‐17:30 午後の部 全体会議 【国際会議室】
午後の部T (13:00‐13:30)
司会:小林憲正(日本宇宙生物科学会・横浜国立大学)

主催者挨拶: 跡見順子 (日本宇宙生物科学会・東京大学)(第9期委員長)
ビデオメッセージ: 吉川弘之 (JST研究開発戦略センター長)
来賓挨拶: 文科省(予定)
来賓挨拶: 岡島敦子氏 (内閣府 男女共同参画局 局長)
来賓挨拶: 久保公人氏 (東京大学 男女共同参画担当理事)
来賓挨拶: 有本建男氏 (JST社会技術研究開発センター長)
歓迎の辞: 筑波大学学長

午後の部 U-1 (13:30‐15:20) 
パネル討論Iテーマ: 社会が求める科学と科学者-女性科学者への期待
  司会:渡辺敏行(日本宇宙生物科学会担当者・東京農工大学)

講演者
跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大学)
なだいなだ(作家・精神科医)
樋口恵子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)
菊池吉晃(首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授)

休憩 (15:20-15:30)

全体会議 U-2 (15:30‐16:40)  司会:清水美穂(日本宇宙生物科学会・東京大学)
パネル討論IIテーマ: 社会が求める連絡会-女性科学者が(だから)できること・連絡会の今後のあり方
資料集に投稿された要旨からキーワードを抽出、9つのショートトークリレーと質疑応答、また過去2回の大規模アンケートが我が国の男女共同参画政策と科学技術政策に果たしてきた役割を塩満典子先生(JST科学技術システム改革事業推進室長)にお話ししていただきながら、2012年の第3回大規模アンケート調査で浮き彫りにすべき科学技術系研究者の現状と問題点、および2020年30%実現に向けてのポジティブアクション、連絡会の将来についてともに考える場としたい。

午後の部 V (16:40‐17:00)
各種報告
司会:小竹敬久(日本宇宙生物科学会・埼玉大学)

分科会報告:各分科会世話人
  第9期連絡会活動報告:富田−横谷香織(日本宇宙生物科学会・生態工学会・筑波大学)
新規加盟学会紹介:各新規加盟学会代表者
次期連絡会委員長挨拶:第10期委員長(日本生理学会)
閉会の辞: 第9期委員長 跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大学)

18:00-20:00 懇親会 (ホテルグランド東雲)
司会進行:大倉多美子(日本女性科学者の会・会長)
挨拶:大塚榮子(北大名誉教授・産総研名誉フェロー)
懇親会と平行して各種詳細発表(随時可)
特別参加:平安の女性と舞い(櫻井真樹子・作曲家・ボーカリスト・パフォーマー)
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◇ 2011.10.10
身心一体科学研究室3.11後支援 活動報告
第1回 2011.6.5 津波で壊滅的な被害を受けた気仙沼の牡蠣養殖業者 NPO法人「森は海の恋人」代表 畠山重篤氏の活動を応援するために、第23回植樹祭に参加
第2回 2011.8.27 アイソトープセンター長 児玉龍彦先生率いる第11回南相馬支援に参加、20km圏内にある保育所の放射能汚染状況調査にも協力しました
第3回 2011.10.09 柏市民であり、独自に活動を続けていらっしゃる橋本博文先生(JAXA)と東大柏キャンパス周辺の放射能汚染概況調査を実施しました

◇ 2011.8.5
跡見順子からの緊急メッセージ
私たちのグループがお世話になっているアイソトープ総合センターセンター長 児玉龍彦教授による2011年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会での 「福島原発事故の放射線の健康への影響」に関する報告をU-tubeでビデオでみることができます。
ぜひ皆さまみてください。
素晴らしい研究者・医者・実践家です。

◇ 2011.8.5
第4回目を開催しました。
第4回「身心一体科学で120歳まで元気に生き生きと」サイエンスカフェ
主催 : 日本学術会議、文部科学省
開催日時 : 平成23年8月5日(金)18時30分〜20時30分
場所 : 文部科学省情報ひろばラウンジ(文部科学省旧庁舎1階)千代田区霞が関3−2−2
銀座線「虎ノ門駅」11番出口 直結、千代田線「霞ヶ関駅」 A13番出口 徒歩5分
概要 : アジアの古い文化を昇華させる技をもつ日本から、原発事故などではなく、世界に向けて発信しなければならないことがあります。それは身心一体科学創成。 人間とは何かを科学する時代がきました。2倍に伸びた寿命のその後半の半世紀をどう生きるか、それには運動が決定的に重要です。また心を元気にするにも運 動が必須です。しかし身体をこわしてしまっては元も子もない。私たちの体の中で生きている「細胞達の身になって」PPK(ピンピンコロリ)戦略を考えま す。自律的に環境応答して生きる生命の最小単位である細胞の生存原理から説き起こすと、ストレッチは遺伝子への働きかけであり、正座は身心の「ノ ーマリゼーション」(様々なアンバランスを正規化すること)に貢献します。 会場では、皆さんとストレッチや身体バランスをつかむ体操等をいっしょにしながら、身心一体科学的に「いのち」について考えます。
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全4回のご案内
<第1回>  6月17日(金):国民の体力と数学のテスト ※お陰様で大好評のうちに終了いたしました。
講師:田畑泉先生(日本学術会議連携会員、立命館大学教授)
ファシリテータ:跡見順子・田原淳子
<第2回> 7月8日(金):「人間」のいのち(細胞)を生かす身心一体科学
講師:跡見順子先生(日本学術会議連携会員、東京大学名誉教授)
ファシリテータ:田原淳子(日本学術会議連携会員、国士舘大学体育学部教授)
<第3回> 7月20日(水):スポーツのジェンダー構造を読む
講師:飯田貴子先生(日本学術会議連携会員、帝塚山学院大学人間科学部教授)
ファシリテータ:上野千鶴子(社会学者、日本学術会議会員、NPO法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク理事長)・跡見順子
<第4回> 8月5日(金):筋・腱ダイナミクス超音波解析が明らかにするスポーツパワーアップトレーニング
講師:福永哲夫先生(日本学術会議会員、鹿屋体育大学学長)
ファシリテータ:跡見順子・田原淳子
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◇ 2011.6.20
朝日新聞科学欄に「卵の殻の内皮、傷の治療促す」という見出しで、Cell & Tissue Researchに掲載されたわたしたちの研究成果が紹介されました!


◇ 2011.6.19
セルツーボディダイナミクスラボ主催 「身心一体科学研究会レクチャーシリーズ(※)」をスタートしました。
第1回 平成23年6月20日(月)19:30〜
場所:東京大学アイソトープ総合センター 1階大講義室
講師:東京大学医学部精神医学教室 準教授 山末英典先生
タイトル:脳障害から解く他者への協調や共感の物質機構、社会性の男女差
要旨:他者の意図や気持ちを感じ取って相互的に交流することが難しいために、たとえ知的水準が高くても社会の中で居場所を作れずにいる自閉症スペクトラム障害の方は少なくない。一方でミリメートル単位・秒単位で脳の構造や働きを捉える技術が飛躍的に進歩し、この対人交流の障害の基礎を成す脳内回路が分かってきた。こうした脳内回路は社会性の男女差と関連する脳部位を含み、自閉症スペクトラム障害の頻度の男女差との関連が注目される。さらに、こうした脳内回路の障害の治療法開発や遺伝要因解明の試みについても述べる。
関連文献
Yamasue H, Abe O, Suga M, Yamada H, Rogers MA, Aoki S, Kato N, Kasai K. Sex-Linked neuroanatomical basis of human altruistic cooperativeness. Cerebral Cortex. 18: 2331-40, 2008.
Yamasue H, Kuwabara H, Kawakubo Y, Kasai K. Oxytocin, sexually dimorphic features of the social brain, and autism. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 63: 129-40, 2009.
Yamasaki S, Yamasue H, Abe O, Suga M, Yamada H, Inoue H, Kuwabara H, Kawakubo Y, Yahata N, Aoki S, Kano Y, Kato N, Kasai K. Reduced gray matter volume of pars opercularis is associated with impaired social communication in high-functioning autism spectrum disorders. Biological Psychiatry. 68:1141-7. 2010.
Inoue H, Yamasue H, Tochigi M, Abe O, Liu X, Kawamura Y, Takei K, Suga M, Yamada H, Rogers MA, Aoki S, Sasaki T, Kasai K. Association between the oxytocin receptor gene (OXTR) and amygdalar volume in healthy adults. Biological Psychiatry. 68:1066-72. 2010.
※身心一体科学研究会レクチャーシリーズ
 身体は細胞が自律的に生きる場であり、地球は私たちの身体が生きる場である。元気な細胞が住む身体はこころを豊かにし、多様な人間性を受け入れて互いに生かし、共に生きることを可能にする。そうしてもたらされる平和な社会と、地球全体のサステナビリティーは、様々な階層における良い環境の積み重ねによって保証されるだろう。しかしながら、それを維持しよう、より良くしようとする小さな努力を人間が忘れたとき、全てが壊れ落ちる。原発事故が顕在化させた多くの根深い問題は、利便性を追求し自己中心的になりきった私たち日本人に、人間の「いのち」を忘れた科学技術と社会のあり方を見つめ直すよう警鐘を鳴らしている。このままでは健康長寿どころではない。  この身心一体科学研究会では、脳科学の目覚ましい発展により物質プロセスとして解明することが可能となった身心問題を、先端科学的に解明されている第一線の研究者をお招きしてお話を伺い、真に社会が望む科学とは何かを追求し、実践していくための研究戦略を出していけるよう議論していきたい。(担当 清水)

◇ 2011.5.20
Cell & Tissue Researchオンライン版に皮膚線維芽細胞への卵殻膜の効果に関する共同研究成果論文が掲載されました!
ダウンロードはこちらから

◇ 2011.5.13
株式会社アルマードとの産学連携共同研究成果について、東京大学山上会館にて報道関係者向け発表会を行いました。
ご多忙中、多数お集まりいただきありがとうございました。

「生活の知恵を先端科学で解明―卵殻膜の働きにより細胞が自分で作る健康な環境―」

発表者:東京大学アイソトープ総合センター 特任研究員 跡見順子(東京大学名誉教授)
発表概要:細胞は30%程度の割合で常に様々なエラーを起こしていますが、健康状態が保たれている間は、修復機能が働いて
問題をキャンセルしてくれていますが、加齢に伴いこの修復機能が低下します。皮膚の細胞で考えると、紫外線、活性酸素、
などによる様々なダメージの蓄積が加齢とともに増加し、傷の治りが遅く、傷痕も残り、悪い例としては癌化といった細胞の
異常状態に至ります。今回、東京大学-アルマード共同研究プロジェクトでは、中国や日本では人々の間では効果が認められ、
”生活の智恵”として古くから使われていながらも、その実態が明らかにされていなかった卵殻膜に着目し、先端科学を駆使して
メカニズムの解明に取り組みました。その結果、適度な量の卵殻膜には、細胞自らが正常な状態へ修復するように
働きかける効果があるということが証明されました。

なお、東京大学内の多くの研究者の協力によって得られた本研究の成果論文は、
海外の専門ジャーナル「Cell & Tissue Research」オンライン版に掲載されました。
論文PDFはこちらから。

※プレスリリースの詳細は記者発表資料をご覧ください。


◇ 2011.5.13
社団法人学士会主催の会員向け午餐会にて、跡見順子先生が講演されることが決定致しました。
日時2011.10.20 12:30 テーマ「高齢社会における身心の健康維持」

◇ 2011.5.13
 2010.8.1-8.31に無料ネットテレビ「ピラニアTV」にてオンエアされていた跡見順子先生出演の番組について。

■ 武田邦彦/現代のコペルニクス #14「あなたは生きていますか?」(2010年4月収録)
監修・出演:武田邦彦/ゲスト:跡見順子(教育学博士)
http://www.nicovideo.jp/watch/1298291072
 恐れ入りますが、現在視聴にはニコニコ動画(有料)への登録が必要です。ご意見ご感想をお待ちしております!

◇ 2011.4.25
東京大学高齢社会総合研究機構:コア科目1 「意志決定論」で授業を行いました。
 身体機能の変化と適応-いのちを活かす身体運動、自然物‐人工物

◇ 2011.4.22
社団法人 科学技術と経済の会 センサーネットワーク研究会
(委員長:渡辺誠一氏(潟eックゲートインベストメント代表取締役)
第34回研究会にて、跡見順子先生が「細胞科学が教える健康と医療」と題して講演を行いました。

◇ 2011.3.
東大(跡見研究室)ー東レーユニクロの共同開発である小さなプリントで姿勢を意識させるウェア「イージーエクサ」がユニクロ社より全国発売され、好評を博しました。このウェアについては、昨年夏の一部店舗での先行販売時に日本経済新聞 2010 年 7 月 8 日朝刊でもとりあげられました。

今後の予定

◇ 2011.5.27(終了) & 7.8
  跡見順子先生が嘉悦大学「身体論」(担当:古川康一教授)で今年も特別講義を行います。
7月8日は実際に自律的に拍動する心筋細胞を見ていただきます。

◆◇◆◇◆


2011.2以前のお知らせ
◇ 2010.10.8
跡見先生が、男女共同参画学協会連絡会第9期幹事学会(宇宙生物科学会&生態工学会)委員長/議長に就任いたしました。清水は事務局の運営委員会担当をつとめます。

◇ 2010.10.7
第8回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム(於 理化学研究所和光研究所)
★分科会C【生物科学研究棟3階大会議室】を開催しました。

テーマ:自分自身のシステムを知る?科学が動かす男女共同参画社会を探る
世話役:跡見順子(日本宇宙生物学会・東京大学)
富田-横谷香織氏(日本宇宙生物学会・筑波大学)
プログラム:
1)プロローグ(男女共同社会のこれまでとこれから)
2)企画挨拶 跡見順子(東京大学)
3)生物の差と人間の男女?科学的見地から健康に働くことができるしくみを探る
富田-横谷香織氏(筑波大学)
4)自分自身のシステムを知ろう?理系研究者に期待すること
跡見順子(東京大学) 5)直木賞作家・篠田節子氏と「女性の一生と身体」を語る(座談会形式)
パネルディスカッション参加者:篠田節子氏・跡見順子・富田-横谷香織氏・清水美穂

◇ 2010.9.20
  第48回日本生物物理学会年会(仙台)第1日目に、「自主・自発の階層と構造:行動を生みだす原理を分子、単細胞生物、細胞レベル、からヒトに探る」というテーマで、吉川研一(京都大)先生と跡見順子先生がシンポジウムをオーガナイズしました。
早朝からのセッションにも関わらず多くの方にお越しいただきました。
Title
How does hierarchical soft structure create spontaneous activity: Smart dynamics from single macromolecule to human being
Organizers
Yoriko Atomi (The University of Tokyo), Kenichi Yoshikawa (Kyoto University)
Synopsis
As Professor Fumio Oosawa was inspired by the tracking motions produced by a prosiest several decades ago, spontaneity is a characteristic aspect of life. A protisis can behave with spontaneity resulting in selecting and deciding the comfortable environment for the survival after rushing back and forth. Such characteristics of procist suggests that a cell exhibits spontaneity as well as individual organisms. Since human beings belong to a multicellular organism, we have at least two levels of spontaneity, both at cells and an individual. In this symposium, we would like to focus on “a real living body” itself and its biological material system, which generates soft and loose structures and changeable shapes, and produces a directional activity, and to extend to both limits of a body, from micro to macro systems. We will start the discussion from the cytoskeleton, which is considered intrinsically to produce cell’s spontaneity in our body against the environment, water, and connect to the brain, which has been evolved to control actions in spontaneity in the society where the brain communicates. We have the intention to create a new concept of philosophy of spontaneity and initiative from the basis of principle of biological material science.
Speakers
・ Yoriko Atomi (The University of Tokyo):
Structuring strategy of life system of spontaneity in evolution and human initiative ~ The cell, animals, and human beings~
・ Toshiyuki Watanabe ( Tokyo University of Agri.& Tech.):
Spontaneous activity of cell triggered by cell environmental engineering
・ Jun Miyake (Osaka University): Biophysical approach to spontaneity through cell engineering
・ Shigeru Takemori (The Jikei University School of Medicine):
Motility emergent from biomolecular interaction
・ Ikuko Motoike (Kyoto University): Hypothesis of Real-Time Field-Computation;
A Simple Model of Autonomous Informational Operation.
・ Yukihiro Nobuhara (The University of Tokyo):
Weakness of the will and loss of spontaneity
・ Yoshiaki Kikuchi (Metropolitan University ): The spontaneity generated from brain, and the human mind
・ Fumio Ohsawa & Yasuo Nakaoka:
Independence and spontaneity in Paramecium caudatums.
・ Kenichi Yoshikawa (Kyoto University): Concluding Remark:
Future Prospective of Biophysics.

◇ 2010.8.13
  女子中高生夏の学校2010(夏学2010)(独立行政法人国立女性教育会館、日本学術会議主催)2日目のサイエンスアドベンチャーにおいて、「自分の身体のシステムを知る」というテーマ(宇宙生物学会担当)で、跡見順子先生が実験指導を行いました。

◇ 2010/7/9
  跡見順子先生が嘉悦大学において、「身体論」(担当:古川康一教授)特別講義を行います。好評だった6月4日(金)の第1回に次いで第2回目になります。今回はカールツァイスマイクロイメージング(株)およびライカマイクロシステムズ(株)のご協力を得て顕微鏡を持ち込み、自律的に収縮する心筋細胞のライブ観察を通じてわたしたちの身体を構成する「生きた細胞」を実体験してもらいます。

◇ 2010/6/16
    東京大学大学院文化研究科広域科学専攻 生命環境科学系 身体運動科学 跡見研究室、ヒューマン・サイテイナビリティ・プロジェクトを経てセルツーボディダイナミクスラボのHPを開設しました。

◇ 2010.5.9
    「いのちの科学フォーラム」 心と身体から教育を考える(日本学術会議シンポジウム)にて、毛利 衛(日本学術会議会員、日本科学未来館館長、宇宙飛行士)さんと公開討論しました。

◇ 2010.4.23
    毎日新聞に跡見順子先生のインタビュー記事【くらしナビ】お肌のサポーター「卵殻膜」が掲載されました。

◇ 2007.3.7
    2007年3月7日の朝日新聞朝刊オピニオン面の「私の視点」に跡見順子教授の投稿が掲載されました。
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Current Project

(株)アルマードとの共同研究
「卵殻膜の細胞・身体ダイナミクス効果に関する研究」

(株)東レとの共同研究:姿勢変化を誘導する機能ウェアの開発

科学研究費補助金 萌芽研究:重力健康科学の基盤創成(H21-H22)

新しい研究領域の創成
自発性と身心・行動の美〜やる気を生み出す物質メカニズムの解明
細胞、生体中の水、脳から哲学まで。異分野の方々との研究集会を重ね準備活動中!

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