セルツーボディダイナミクスラボ(東京大学名誉教授 跡見順子研究室)"

About Atomi Lab

跡見順子教授


特別寄稿
男女共同参画の科学の視座


3.11で被災された方々にあらためまして、お見舞いを申し上げます。わたしは津波によって壊滅的な打撃をうけた気仙沼を6月初旬に訪れ、そして8月末には南相馬町に除染ボランティアにでかけて、今は緊急避難区域に設定され子供のいなくなった幼稚園の部屋や庭をサーベイしてきました。実際に見て、測定して、現実を知ることではじめて、邪推や過度な恐怖を払拭し、この放射能汚染問題へ、具体的な解決策を提起できる感覚が生まれてきました。生活の場が失われた状況を被害地で見て、それまでの説明不可能な恐怖や後ろめたさを離れ、行動への第一歩を踏み出す勇気をもらってきました。自然の摂理とはいえ想像をはるかに超える厳しさの中におかれた人々の生活1日も早い復興を心より願うとともに、それを取り戻すための科学とは何かを考え、行動してゆくのが私たち科学者の義務であると思っています。

私は大学での教員生活を通して、自らの存在、つまり「いのちが生きる身体」に巧妙なシステムがあることに気づかされました。機能を調べる運動生理学から、身体をつくる物質の特性や相互関係により自律性・自発性を生み出した生命に出会いました。その生命システムをつないでゆくわが身体がもつ可塑性に魅せられ、生命科学へと研究方法や考え方を進化させ、人間の生命科学という視点から、生きていることを自ら科学してきました。健康の土台としての人間生存の問題、男女の問題を、生物学や生命科学・教育学や人間科学の視点からその核心をつかみました。生きることに確証がもてない人々に、このすばらしさを理解し、生かす新しい研究・教育分野を届けることを夢見て定年後も研究・教育活動を続けています。現在は、薬学・基礎生物学分野で研究してきた清水美穂さんという強力な仲間とともにセルツーボディダイナミクス研究を展開しています。

男女共同参画学協会連絡会の運営委員長を引き受ける前年から、植物学のご専門ではあるのですが、人間への深い愛情に満ちあふれる富田ー横谷香織先生(筑波大学)との話し合いで、宇宙生物科学会として新たなワーキンググループを立ち上げ、昨年のシンポジウムでその趣旨を説明しました。会場の皆さんとの議論も踏まえて、この連絡会の立ち上げを中心となってすすめてきた小館香椎子先生(日本女子大学 名誉教授)を筆頭とする応用物理学会の皆様の従来の活動に加え、女性独自の身体的な問題から派生する身心問題、健康問題をとりあげ、男女共同参画の活動に新たな問題点を提起しました。それは、ライフワークバランスやポジティブアクション、リーダーシップなどのいわば女性の社会的な活動の問題に加えて、あるいはその実効性ある成果を生み出すコア概念の創成のためでもあります。女性自身が引き受けざるを得ない「産む性」から派生すると考えられる生物学的身体が生み出すニッチを、現代社会の改革の原点にしようというものです。ジェンダー論という社会学的な学問はあるものの、理系研究者からの科学的な視点から説き起こす男女共同参画の科学、つまり、イクウォリティー(equality)とは何か、その思考の原点となる創発性および科学や社会に向けて発言するときの立ち位置や科学へのまなざしに混迷した人間社会における「いのち」を核においた科学の視座を提起できるのではないかと思ったからです。一般的に、女性には繊細な身体感覚や豊かな身体情報、それらが生み出す人間への広く深い愛と俯瞰する眼が備わりやすいと考えられます。そして、激しくも豊かな日本の風土は、「生活の知恵」「能・舞踊などの伝統芸能」「武術」といった独特の繊細な文化を生み出しましたが、それらはいわゆる暗黙知として論理にはなっていません。科学技術の進展にも関わらず殺雑とした非生命的な現代社会を、これら科学の俎上に載りにくい問題に対し科学的にアプローチすることで、「女性の生命論理」から科学を改革し、明るい社会につなげたいという強い思いがあります。

一方、日本人女性の寿命は世界一です。しかしこの長寿の中身をみてみると、男性に比べ十歳近く長寿である女性が高齢を元気に生きているかというと、実は落とし穴があります。高齢女性の約5割が、寝たきりなどの要介護対象となっている現実があります。私自身、社会に対して発言権がある定年までは元気に働いていたので、高齢者の問題は実感できませんでした。しかし、健康に留意していた専門家である私にも、定年後、身体のあちらこちらに、特に関節痛など、身体を移動させる歩行に問題がでてきました。定年後に、自分であらたにファンド会社をつくり活動している私よりも3歳上の男性は、クラス会をするとほぼ全員がなんらかの関節痛(膝痛、腰痛、足痛など)を訴えているとのことです。100歳を超える寿命を生きるのは人類はじめての経験で、その対策を予想できなかったのです。まさに「想定外」の出来事でした。後追いですが、対症療法的な医科学は急進展しています。「動く、動ける身体」を長年研究してきた私は、少しの痛みも我慢せず、理学療法士に相談し、靴にインソールを入れる、膝に負担がかからないようにする歩行の仕方を覚えるなどの工夫、歩行時には痛みがでても走行では痛まない、などの様々な自己診断によりなんとか活動を低下させないようにすることができるようになりました。企業との共同研究として卵殻膜サプリメントの効果検証のために自ら被検者となった体験では、3ヶ月で効果の予兆を感じ、1年かかりましたが確かにそれは効果を発揮し、今では歩行への不安感が全く消失しました。「動く」ということへの強い要求、動けなくなることの絶対拒否?それは、進化してきた生き物の適応能、可塑性への科学的な信頼です。繊細な身体のつくりを生命科学から位置づけて理解し、早期対応の技術をもっている動く身体のケアをするプロの協力、さらには「セルツーボディダイナミクス」ラボの名の通り、細胞と身体の二階層をつなぐシステム論の構築の必須性と合理性を主張してきた私たちの科学者としてのスタンスが、今、後期高齢者に近づいている自分を支え、一人一人を120歳まで元気に生きる実効性のあるピンピンコロリ(PPK)対策の戦略を提起しうるとの確信を得ています。つまり、身体の動き方も含めた専門的な知識をもった高齢者は、自らの身体を対象に科学する中で、病 気の治療からではなく、予防的な観点で、高齢者の健康対策案を提起することができる確信を得たのです。医者を含め専門の研究者の多くが怪しいと決めつけても、400年前から使われ伝授されてきた健康法の一つである卵殻膜の効果解明の戦略は、生物学、身体運動科学、細胞生物学、そして動く身体を保持し続けたい、「適応可能な身体」への絶大なる信頼から生まれてきたものです。

福島原発事故。この日を境に、日本の科学をとりまく状況は大きく変わりました。原発問題は科学や科学者の社会的な信用を完全に失墜させました。この3.11を境に、立ち位置を元(1970年)に戻す視点が必要であることを強く感じています。一人の人間として、一人の科学者として判断し、意見を言えるようになることです。また、専門家として強く感じたことは、科学は、コトが起こってからしか対処していないという現実です。高齢社会を救うという医工連携科学にしても、今回の福島原発事故にしても同様です。ともに、コトが起こってからでは、救えない深い傷を残すだけでなく、人間の生と死に、はたして科学は、本気に向かい合っているか、人間のいのちや幸福に本当に役立っているか、先を見据えて問題を設定してきたのかと、振り返らざるをえません。

男女共同参画を実現することで、上記「事が起こる前に、科学により人間を救う」科学と技術を解明、新しい科学研究の領域を創成することを提案します。その領域を「平等(イクウォリティー)の科学と技術」領域と命名し、科学研究費の時限付き項目に応募する提案をしたいとおもいます。たとえば、男女間の平等、科学者と技術者の平等、研究と教育の平等、開発者と消費者の平等などを設定することで、異なる立場の人間が平等の立場で両側から問題意識を共有することで研究開発ができれば、真に使用者や生活者が必要な技術や概念がうまれます。それが、人間が共に生きるということです。とくに身体情報をより多く受け取る女性のいのちの声が生きるような研究、生活者の立場からの一つの発見を生かす技術は、新しい科学と科学者、技術との関係を生み出します。このような方向性を模索することで、実は2020年30%を目指すというポジティブアクションの実現ができるのではないかと期待します。3.11は、すべての科学者が「人間のいのち」を念頭におくことの大切さを、うったえています。女性の比率を上げることで、そのような方向へ日本の科学・技術が向かうことを強く期待します。それが日本を応援してくれている、世界への貢献だとおもいます。女性科学者として自分になにができるかをよく考え、行動していく必要性を痛感しています。理工系学協会が中心になっている本学協会連絡会が3.11後になすべきことを探る議論ができる時空間(場)をつくりたいとおもいます。さらには本構成員が、科学や科学者一人ひとりの原点に戻り、男女共同参画を通じて、科学のあり方を議論し、科学者として胸を張って発言してゆくことができる人々を応援する会へと発展してゆくことを努力してゆくことを誓います。

第9回男女共同参画学協会連絡会シンポジウムを開催するにあたり、日本の科学・技術を、命の原点から見直し、全世代の人間の安全と幸福を希求する科学創成を目指す科学者として生きることを、ここに明言します。

平成23(2011)年10月5日
東京大学名誉教授 跡見順子

注:上記は、第9期運営委員長として10月31日に開催の第9回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム資料集「あとがき」への寄稿文であることを記しておきます。

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セルツーボディダイナミクス研究のすすめ
ようこそ、"細胞から元気になるからだ"の世界へ


"「からだ」を生かしてくれている細胞の身になったことはありますか?からだは、60兆の細胞から成ります。60兆の細胞も皆生きています。それらの細胞たちに上手に働きかけて私たちが身心ともに健康になる方法を研究しています。からだと細胞の関係から、「いのち」や「人間」を考え、そして毎日の生活に活かしていく方法や原則を、企業や科研費のサポートを受けて、様々な分野の研究者の方といっしょに創り上げる努力をしています。

私たちのからだは、顔があり、手足があり、そしてそれらをつなぐ体幹があります。からだと同じように、細胞たちにも「からだ」があります。他人やモノを見分ける眼や音を感じる耳、味を感じる舌があるように、細胞たちもからだの中にはいってくる様々な刺激をうけとっています。体には、脳、筋肉、骨、皮膚があるように、細胞にも知恵袋:DNA、動きを生み出し形をつくるタンパク質、外部との境界をつくる細胞膜があります。本研究室では、細胞の身になって考えることにより、細胞達一個一個が元気に生きることを考えながら、「細胞がすみかとしているからだ」を考え、その司令塔としての「わたし」を考えます。

どう動き、日々何をすべきか、細胞達が喜ぶ生活の仕方、運動のしかた、サプリメントとの付き合い方、そして自分のこころとの付き合い方などを理解することで、細胞とからだがよろこぶ教育プログラムの開発、商品開発をしています。細胞、遺伝子、筋肉、脳、皮膚、ファシア、和の生活様式、心身の関係、運動、姿勢、美容などのキーワードから広くかつ深く研究し、新しい人間像を見出すのが私たちセルツーボディダイナミクラボの役割だと考えます。

ともに歩んで下さる仲間をいつも探しています。お気軽にご連絡ください。

東京大学名誉教授
東京大学アイソトープ総合センター特任研究員
跡見順子
Yoriko Atomi atomi@bio.c.u-tokyo.ac.jp

What's New

◇ 2011.10.10
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シンポジウム開催のご案内 ※一般参加も可能です(無料)
第9回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム

【日 時】 2011年10月31日(月)
午前の部   9:30‐12:30 (9:00会場)
午後の部T〜V部 13:00‐17:00
ポスター掲示  9:00‐15:40 (9:00 から掲示可・16:00までに撤収)
懇親会 18:00‐20:00
【場 所】 筑波大学・大学会館 (茨城県つくば市天王台 1ー1ー1)
懇親会 ホテルグランド東雲 (茨城県つくば市小野崎 488ー1)
【テ ー マ】 今、社会が科学者に求めること−ソーシャル・ウィッシュ
【主 催】 男女共同参画学協会連絡会
【共 催】 国立大学法人筑波大学
【後 援】 文部科学省, 独立行政法人科学技術振興機構, 内閣府男女共同参画局, 茨城県つくば市
【趣 旨】男女共同参画学協会連絡会は、科学・技術の分野において、女性と男性が共に個性と能力を発揮できる環境づくりとネットワーク作りを行い、社会に貢献することを目的として、2002年10月7日に発足した。本シンポジウムは、この9周年の記念行事である。本連絡会に加盟している68学協会が集まり、また、各方面からの来賓を招き、講演会、パネル討論などを行うことにより、今後の科学技術の発展および持続可能な社会の実現に向けて必要とされる女性研究者の活用及びそのための支援策などについて,有効な方向性を探る。特に本年は未曾有の震災を経験したことから、現在の科学者らに社会から求められていることについて、基底テーマを「命と健康」とした。実動に向けた社会づくりに貢献するための討論を企画した。

◆ プ ロ グ ラ ム ◆

9:00- 受付 筑波大学・大学会館・多目的ホール入口前

9:30‐12:00 午前の部
分科会A 【国際会議室】
テーマ:震災で浮き彫りとなった科学のこれまでと今後
世話役 富田-横谷香織(日本宇宙生物科学会・筑波大)

講演者 大西武雄(日本宇宙生物科学会会長・奈良県立医科大学)
山下雅道(日本宇宙生物科学会・JAXA)
奥平恭子(日本惑星科学会・会津大)
加藤 浩 (生態工学会・三重大)
跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大)(第9期委員長)

分科会B 【特別会議室】
テーマ: これからの若手、女性リーダー育成に向けた取り組み
世話人: 高井まどか(応用物理学会・東京大学)

昼食 (12:00‐13:00)
ポスター閲覧随時【多目的ホール】

13:00‐17:30 午後の部 全体会議 【国際会議室】
午後の部T (13:00‐13:30)
司会:小林憲正(日本宇宙生物科学会・横浜国立大学)

主催者挨拶: 跡見順子 (日本宇宙生物科学会・東京大学)(第9期委員長)
ビデオメッセージ: 吉川弘之 (JST研究開発戦略センター長)
来賓挨拶: 文科省(予定)
来賓挨拶: 岡島敦子氏 (内閣府 男女共同参画局 局長)
来賓挨拶: 久保公人氏 (東京大学 男女共同参画担当理事)
来賓挨拶: 有本建男氏 (JST社会技術研究開発センター長)
歓迎の辞: 筑波大学学長

午後の部 U-1 (13:30‐15:20) 
パネル討論Iテーマ: 社会が求める科学と科学者-女性科学者への期待
  司会:渡辺敏行(日本宇宙生物科学会担当者・東京農工大学)

講演者
跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大学)
なだいなだ(作家・精神科医)
樋口恵子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)
菊池吉晃(首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授)

休憩 (15:20-15:30)

全体会議 U-2 (15:30‐16:40)  司会:清水美穂(日本宇宙生物科学会・東京大学)
パネル討論IIテーマ: 社会が求める連絡会-女性科学者が(だから)できること・連絡会の今後のあり方
資料集に投稿された要旨からキーワードを抽出、9つのショートトークリレーと質疑応答、また過去2回の大規模アンケートが我が国の男女共同参画政策と科学技術政策に果たしてきた役割を塩満典子先生(JST科学技術システム改革事業推進室長)にお話ししていただきながら、2012年の第3回大規模アンケート調査で浮き彫りにすべき科学技術系研究者の現状と問題点、および2020年30%実現に向けてのポジティブアクション、連絡会の将来についてともに考える場としたい。

午後の部 V (16:40‐17:00)
各種報告
司会:小竹敬久(日本宇宙生物科学会・埼玉大学)

分科会報告:各分科会世話人
  第9期連絡会活動報告:富田−横谷香織(日本宇宙生物科学会・生態工学会・筑波大学)
新規加盟学会紹介:各新規加盟学会代表者
次期連絡会委員長挨拶:第10期委員長(日本生理学会)
閉会の辞: 第9期委員長 跡見順子(日本宇宙生物科学会・東京大学)

18:00-20:00 懇親会 (ホテルグランド東雲)
司会進行:大倉多美子(日本女性科学者の会・会長)
挨拶:大塚榮子(北大名誉教授・産総研名誉フェロー)
懇親会と平行して各種詳細発表(随時可)
特別参加:平安の女性と舞い(櫻井真樹子・作曲家・ボーカリスト・パフォーマー)
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◇ 2011.10.10
身心一体科学研究室3.11後支援 活動報告
第1回 2011.6.5 津波で壊滅的な被害を受けた気仙沼の牡蠣養殖業者 NPO法人「森は海の恋人」代表 畠山重篤氏の活動を応援するために、第23回植樹祭に参加
第2回 2011.8.27 アイソトープセンター長 児玉龍彦先生率いる第11回南相馬支援に参加、20km圏内にある保育所の放射能汚染状況調査にも協力しました
第3回 2011.10.09 柏市民であり、独自に活動を続けていらっしゃる橋本博文先生(JAXA)と東大柏キャンパス周辺の放射能汚染概況調査を実施しました

◇ 2011.8.5
跡見順子からの緊急メッセージ
私たちのグループがお世話になっているアイソトープ総合センターセンター長 児玉龍彦教授による2011年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会での 「福島原発事故の放射線の健康への影響」に関する報告をU-tubeでビデオでみることができます。
ぜひ皆さまみてください。
素晴らしい研究者・医者・実践家です。

◇ 2011.8.5
第4回目を開催しました。
第4回「身心一体科学で120歳まで元気に生き生きと」サイエンスカフェ
主催 : 日本学術会議、文部科学省
開催日時 : 平成23年8月5日(金)18時30分〜20時30分
場所 : 文部科学省情報ひろばラウンジ(文部科学省旧庁舎1階)千代田区霞が関3−2−2
銀座線「虎ノ門駅」11番出口 直結、千代田線「霞ヶ関駅」 A13番出口 徒歩5分
概要 : アジアの古い文化を昇華させる技をもつ日本から、原発事故などではなく、世界に向けて発信しなければならないことがあります。それは身心一体科学創成。 人間とは何かを科学する時代がきました。2倍に伸びた寿命のその後半の半世紀をどう生きるか、それには運動が決定的に重要です。また心を元気にするにも運 動が必須です。しかし身体をこわしてしまっては元も子もない。私たちの体の中で生きている「細胞達の身になって」PPK(ピンピンコロリ)戦略を考えま す。自律的に環境応答して生きる生命の最小単位である細胞の生存原理から説き起こすと、ストレッチは遺伝子への働きかけであり、正座は身心の「ノ ーマリゼーション」(様々なアンバランスを正規化すること)に貢献します。 会場では、皆さんとストレッチや身体バランスをつかむ体操等をいっしょにしながら、身心一体科学的に「いのち」について考えます。
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全4回のご案内
<第1回>  6月17日(金):国民の体力と数学のテスト ※お陰様で大好評のうちに終了いたしました。
講師:田畑泉先生(日本学術会議連携会員、立命館大学教授)
ファシリテータ:跡見順子・田原淳子
<第2回> 7月8日(金):「人間」のいのち(細胞)を生かす身心一体科学
講師:跡見順子先生(日本学術会議連携会員、東京大学名誉教授)
ファシリテータ:田原淳子(日本学術会議連携会員、国士舘大学体育学部教授)
<第3回> 7月20日(水):スポーツのジェンダー構造を読む
講師:飯田貴子先生(日本学術会議連携会員、帝塚山学院大学人間科学部教授)
ファシリテータ:上野千鶴子(社会学者、日本学術会議会員、NPO法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク理事長)・跡見順子
<第4回> 8月5日(金):筋・腱ダイナミクス超音波解析が明らかにするスポーツパワーアップトレーニング
講師:福永哲夫先生(日本学術会議会員、鹿屋体育大学学長)
ファシリテータ:跡見順子・田原淳子
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◇ 2011.6.20
朝日新聞科学欄に「卵の殻の内皮、傷の治療促す」という見出しで、Cell & Tissue Researchに掲載されたわたしたちの研究成果が紹介されました!


◇ 2011.6.19
セルツーボディダイナミクスラボ主催 「身心一体科学研究会レクチャーシリーズ(※)」をスタートしました。
第1回 平成23年6月20日(月)19:30〜
場所:東京大学アイソトープ総合センター 1階大講義室
講師:東京大学医学部精神医学教室 準教授 山末英典先生
タイトル:脳障害から解く他者への協調や共感の物質機構、社会性の男女差
要旨:他者の意図や気持ちを感じ取って相互的に交流することが難しいために、たとえ知的水準が高くても社会の中で居場所を作れずにいる自閉症スペクトラム障害の方は少なくない。一方でミリメートル単位・秒単位で脳の構造や働きを捉える技術が飛躍的に進歩し、この対人交流の障害の基礎を成す脳内回路が分かってきた。こうした脳内回路は社会性の男女差と関連する脳部位を含み、自閉症スペクトラム障害の頻度の男女差との関連が注目される。さらに、こうした脳内回路の障害の治療法開発や遺伝要因解明の試みについても述べる。
関連文献
Yamasue H, Abe O, Suga M, Yamada H, Rogers MA, Aoki S, Kato N, Kasai K. Sex-Linked neuroanatomical basis of human altruistic cooperativeness. Cerebral Cortex. 18: 2331-40, 2008.
Yamasue H, Kuwabara H, Kawakubo Y, Kasai K. Oxytocin, sexually dimorphic features of the social brain, and autism. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 63: 129-40, 2009.
Yamasaki S, Yamasue H, Abe O, Suga M, Yamada H, Inoue H, Kuwabara H, Kawakubo Y, Yahata N, Aoki S, Kano Y, Kato N, Kasai K. Reduced gray matter volume of pars opercularis is associated with impaired social communication in high-functioning autism spectrum disorders. Biological Psychiatry. 68:1141-7. 2010.
Inoue H, Yamasue H, Tochigi M, Abe O, Liu X, Kawamura Y, Takei K, Suga M, Yamada H, Rogers MA, Aoki S, Sasaki T, Kasai K. Association between the oxytocin receptor gene (OXTR) and amygdalar volume in healthy adults. Biological Psychiatry. 68:1066-72. 2010.
※身心一体科学研究会レクチャーシリーズ
 身体は細胞が自律的に生きる場であり、地球は私たちの身体が生きる場である。元気な細胞が住む身体はこころを豊かにし、多様な人間性を受け入れて互いに生かし、共に生きることを可能にする。そうしてもたらされる平和な社会と、地球全体のサステナビリティーは、様々な階層における良い環境の積み重ねによって保証されるだろう。しかしながら、それを維持しよう、より良くしようとする小さな努力を人間が忘れたとき、全てが壊れ落ちる。原発事故が顕在化させた多くの根深い問題は、利便性を追求し自己中心的になりきった私たち日本人に、人間の「いのち」を忘れた科学技術と社会のあり方を見つめ直すよう警鐘を鳴らしている。このままでは健康長寿どころではない。  この身心一体科学研究会では、脳科学の目覚ましい発展により物質プロセスとして解明することが可能となった身心問題を、先端科学的に解明されている第一線の研究者をお招きしてお話を伺い、真に社会が望む科学とは何かを追求し、実践していくための研究戦略を出していけるよう議論していきたい。(担当 清水)

◇ 2011.5.20
Cell & Tissue Researchオンライン版に皮膚線維芽細胞への卵殻膜の効果に関する共同研究成果論文が掲載されました!
ダウンロードはこちらから

◇ 2011.5.13
株式会社アルマードとの産学連携共同研究成果について、東京大学山上会館にて報道関係者向け発表会を行いました。
ご多忙中、多数お集まりいただきありがとうございました。

「生活の知恵を先端科学で解明―卵殻膜の働きにより細胞が自分で作る健康な環境―」

発表者:東京大学アイソトープ総合センター 特任研究員 跡見順子(東京大学名誉教授)
発表概要:細胞は30%程度の割合で常に様々なエラーを起こしていますが、健康状態が保たれている間は、修復機能が働いて
問題をキャンセルしてくれていますが、加齢に伴いこの修復機能が低下します。皮膚の細胞で考えると、紫外線、活性酸素、
などによる様々なダメージの蓄積が加齢とともに増加し、傷の治りが遅く、傷痕も残り、悪い例としては癌化といった細胞の
異常状態に至ります。今回、東京大学-アルマード共同研究プロジェクトでは、中国や日本では人々の間では効果が認められ、
”生活の智恵”として古くから使われていながらも、その実態が明らかにされていなかった卵殻膜に着目し、先端科学を駆使して
メカニズムの解明に取り組みました。その結果、適度な量の卵殻膜には、細胞自らが正常な状態へ修復するように
働きかける効果があるということが証明されました。

なお、東京大学内の多くの研究者の協力によって得られた本研究の成果論文は、
海外の専門ジャーナル「Cell & Tissue Research」オンライン版に掲載されました。
論文PDFはこちらから。

※プレスリリースの詳細は記者発表資料をご覧ください。


◇ 2011.5.13
社団法人学士会主催の会員向け午餐会にて、跡見順子先生が講演されることが決定致しました。
日時2011.10.20 12:30 テーマ「高齢社会における身心の健康維持」

◇ 2011.5.13
 2010.8.1-8.31に無料ネットテレビ「ピラニアTV」にてオンエアされていた跡見順子先生出演の番組について。

■ 武田邦彦/現代のコペルニクス #14「あなたは生きていますか?」(2010年4月収録)
監修・出演:武田邦彦/ゲスト:跡見順子(教育学博士)
http://www.nicovideo.jp/watch/1298291072
 恐れ入りますが、現在視聴にはニコニコ動画(有料)への登録が必要です。ご意見ご感想をお待ちしております!

◇ 2011.4.25
東京大学高齢社会総合研究機構:コア科目1 「意志決定論」で授業を行いました。
 身体機能の変化と適応-いのちを活かす身体運動、自然物‐人工物

◇ 2011.4.22
社団法人 科学技術と経済の会 センサーネットワーク研究会
(委員長:渡辺誠一氏(潟eックゲートインベストメント代表取締役)
第34回研究会にて、跡見順子先生が「細胞科学が教える健康と医療」と題して講演を行いました。

◇ 2011.3.
東大(跡見研究室)ー東レーユニクロの共同開発である小さなプリントで姿勢を意識させるウェア「イージーエクサ」がユニクロ社より全国発売され、好評を博しました。このウェアについては、昨年夏の一部店舗での先行販売時に日本経済新聞 2010 年 7 月 8 日朝刊でもとりあげられました。

今後の予定

◇ 2011.5.27(終了) & 7.8
  跡見順子先生が嘉悦大学「身体論」(担当:古川康一教授)で今年も特別講義を行います。
7月8日は実際に自律的に拍動する心筋細胞を見ていただきます。

◆◇◆◇◆


2011.2以前のお知らせ
◇ 2010.10.8
跡見先生が、男女共同参画学協会連絡会第9期幹事学会(宇宙生物科学会&生態工学会)委員長/議長に就任いたしました。清水は事務局の運営委員会担当をつとめます。

◇ 2010.10.7
第8回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム(於 理化学研究所和光研究所)
★分科会C【生物科学研究棟3階大会議室】を開催しました。

テーマ:自分自身のシステムを知る?科学が動かす男女共同参画社会を探る
世話役:跡見順子(日本宇宙生物学会・東京大学)
富田-横谷香織氏(日本宇宙生物学会・筑波大学)
プログラム:
1)プロローグ(男女共同社会のこれまでとこれから)
2)企画挨拶 跡見順子(東京大学)
3)生物の差と人間の男女?科学的見地から健康に働くことができるしくみを探る
富田-横谷香織氏(筑波大学)
4)自分自身のシステムを知ろう?理系研究者に期待すること
跡見順子(東京大学) 5)直木賞作家・篠田節子氏と「女性の一生と身体」を語る(座談会形式)
パネルディスカッション参加者:篠田節子氏・跡見順子・富田-横谷香織氏・清水美穂

◇ 2010.9.20
  第48回日本生物物理学会年会(仙台)第1日目に、「自主・自発の階層と構造:行動を生みだす原理を分子、単細胞生物、細胞レベル、からヒトに探る」というテーマで、吉川研一(京都大)先生と跡見順子先生がシンポジウムをオーガナイズしました。
早朝からのセッションにも関わらず多くの方にお越しいただきました。
Title
How does hierarchical soft structure create spontaneous activity: Smart dynamics from single macromolecule to human being
Organizers
Yoriko Atomi (The University of Tokyo), Kenichi Yoshikawa (Kyoto University)
Synopsis
As Professor Fumio Oosawa was inspired by the tracking motions produced by a prosiest several decades ago, spontaneity is a characteristic aspect of life. A protisis can behave with spontaneity resulting in selecting and deciding the comfortable environment for the survival after rushing back and forth. Such characteristics of procist suggests that a cell exhibits spontaneity as well as individual organisms. Since human beings belong to a multicellular organism, we have at least two levels of spontaneity, both at cells and an individual. In this symposium, we would like to focus on “a real living body” itself and its biological material system, which generates soft and loose structures and changeable shapes, and produces a directional activity, and to extend to both limits of a body, from micro to macro systems. We will start the discussion from the cytoskeleton, which is considered intrinsically to produce cell’s spontaneity in our body against the environment, water, and connect to the brain, which has been evolved to control actions in spontaneity in the society where the brain communicates. We have the intention to create a new concept of philosophy of spontaneity and initiative from the basis of principle of biological material science.
Speakers
・ Yoriko Atomi (The University of Tokyo):
Structuring strategy of life system of spontaneity in evolution and human initiative ~ The cell, animals, and human beings~
・ Toshiyuki Watanabe ( Tokyo University of Agri.& Tech.):
Spontaneous activity of cell triggered by cell environmental engineering
・ Jun Miyake (Osaka University): Biophysical approach to spontaneity through cell engineering
・ Shigeru Takemori (The Jikei University School of Medicine):
Motility emergent from biomolecular interaction
・ Ikuko Motoike (Kyoto University): Hypothesis of Real-Time Field-Computation;
A Simple Model of Autonomous Informational Operation.
・ Yukihiro Nobuhara (The University of Tokyo):
Weakness of the will and loss of spontaneity
・ Yoshiaki Kikuchi (Metropolitan University ): The spontaneity generated from brain, and the human mind
・ Fumio Ohsawa & Yasuo Nakaoka:
Independence and spontaneity in Paramecium caudatums.
・ Kenichi Yoshikawa (Kyoto University): Concluding Remark:
Future Prospective of Biophysics.

◇ 2010.8.13
  女子中高生夏の学校2010(夏学2010)(独立行政法人国立女性教育会館、日本学術会議主催)2日目のサイエンスアドベンチャーにおいて、「自分の身体のシステムを知る」というテーマ(宇宙生物学会担当)で、跡見順子先生が実験指導を行いました。

◇ 2010/7/9
  跡見順子先生が嘉悦大学において、「身体論」(担当:古川康一教授)特別講義を行います。好評だった6月4日(金)の第1回に次いで第2回目になります。今回はカールツァイスマイクロイメージング(株)およびライカマイクロシステムズ(株)のご協力を得て顕微鏡を持ち込み、自律的に収縮する心筋細胞のライブ観察を通じてわたしたちの身体を構成する「生きた細胞」を実体験してもらいます。

◇ 2010/6/16
    東京大学大学院文化研究科広域科学専攻 生命環境科学系 身体運動科学 跡見研究室、ヒューマン・サイテイナビリティ・プロジェクトを経てセルツーボディダイナミクスラボのHPを開設しました。

◇ 2010.5.9
    「いのちの科学フォーラム」 心と身体から教育を考える(日本学術会議シンポジウム)にて、毛利 衛(日本学術会議会員、日本科学未来館館長、宇宙飛行士)さんと公開討論しました。

◇ 2010.4.23
    毎日新聞に跡見順子先生のインタビュー記事【くらしナビ】お肌のサポーター「卵殻膜」が掲載されました。

◇ 2007.3.7
    2007年3月7日の朝日新聞朝刊オピニオン面の「私の視点」に跡見順子教授の投稿が掲載されました。
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Current Project

(株)アルマードとの共同研究
「卵殻膜の細胞・身体ダイナミクス効果に関する研究」

(株)東レとの共同研究:姿勢変化を誘導する機能ウェアの開発

科学研究費補助金 萌芽研究:重力健康科学の基盤創成(H21-H22)

新しい研究領域の創成
自発性と身心・行動の美〜やる気を生み出す物質メカニズムの解明
細胞、生体中の水、脳から哲学まで。異分野の方々との研究集会を重ね準備活動中!

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